太刀魚(タチウオ)は瀬戸内の秋〜初冬を代表する人気ターゲットだ。引きが強く、数釣りも大型も楽しめて、食べても抜群にうまい。
この記事では、遊漁船で主流のテンヤとジギング(メタルジグ)の2つについて、40年の実釣経験から「初心者が最短で釣るための基本」を整理する。
- 太刀魚釣りは「タナ(泳層)合わせ」が9割。船長のアナウンスと魚探反応の指示ダナを最優先する。
- テンヤはゆっくり等速巻き+止め、ジギングはワンピッチ+フォールが基本。どちらもフォールで食うことが多い。
- アタリは即アワセせず送り込んでから。歯対策にワイヤーor太リーダーを使う。
- 手前(上のタナ)まで誘い上げて追い食いさせると数が伸びる。
太刀魚の基本:シーズン・サイズ・タナ
瀬戸内の船太刀魚は、秋(9〜11月)が最盛期で、初冬まで狙える。サイズは指の本数で表現し、指3本前後が数釣り、指4〜5本以上は「ドラゴン」と呼ばれる良型だ。
| サイズの目安 | 呼び方 | 引き・食べ応え |
|---|---|---|
| 指2〜3本 | レギュラー | 数釣り向き・数が出る |
| 指4本 | 良型 | 引きが強く食べても◎ |
| 指5本以上 | ドラゴン | 引き抜群・刺身が絶品 |
太刀魚は群れで泳ぎ、タナ(泳層)が刻々と変わる。底にいる日もあれば中層〜表層近くまで浮く日もある。だからこそ、船長の「◯m」というアナウンスと魚探反応に素早く合わせることが最重要になる。
テンヤの釣り方:ゆっくり巻いて止める
テンヤはオモリと針が一体化した仕掛けに、サンマ・キビナゴ・イワシの切り身を巻き付けて使う。瀬戸内では水深に応じて40〜60号が標準だ。
基本動作はシンプル。①指示ダナまで落とす→②デッドスローの等速巻きで上げていく→③時々ピタッと止めて食わせる。この「巻き」と「止め」の繰り返しが基本になる。電動リールなら低速で一定に巻けるので初心者でも安定する。
ジギングの釣り方:ワンピッチとフォール
ジギングはメタルジグで狙う。瀬戸内の水深なら100〜150g前後が目安(潮とタナで調整)。基本はワンピッチジャーク(1回しゃくって1回巻く)で誘い上げ、時々フォールを入れる。
太刀魚はフォール(沈下)中に食うことが非常に多い。フォール後にラインが止まる・フケる・重みが乗る変化を見逃さないこと。反応が出ているタナを重点的に、上下に探るのがコツだ。
アタリと合わせ:即アワセ厳禁
太刀魚のアタリは「モタれる」「重くなる」「コツコツ」といった形で出る。ここで即アワセすると歯に触れてハリ掛かりせず、切られる。
コツはアタリが出ても一定速度で巻き続け、しっかり重みが乗ってから軽く合わせること(送り込み)。テンヤでは特に、向こう合わせ気味に「追い乗り」を待つと針掛かりが安定する。
歯対策と安全:ワイヤー・グリップ・締め
太刀魚の歯はカミソリのように鋭い。仕掛けにはワイヤーリーダー、または太めのフロロ(7〜12号相当)を使うとラインブレイクを減らせる。
取り込み後は絶対に素手で口周りを触らない。フィッシュグリップで保持し、プライヤーでフックを外す。持ち帰るなら首の付け根を折る/エラを切って血抜きし、クーラーでしっかり冷やすと刺身が格段にうまくなる。
よくある質問(Q&A)
Q. テンヤとジギング、初心者はどちらから?
まずはテンヤがおすすめ。ゆっくり等速巻きと止めだけで釣りが成立し、餌の集魚力もあるので初心者でも結果が出やすい。慣れてきたら、手返しが速く広く探れるジギングに挑戦するとよい。
Q. タナ(棚)が分からない。どうすればいい?
船長のアナウンス(「◯m」)を最優先で合わせる。カウンター付きリールがあると指示ダナに正確に合わせられて有利。反応がなければ、指示ダナの上下2〜3mを丁寧に探る。
Q. リーダーは太いフロロとワイヤー、どちらがいい?
食い重視ならフロロ(7〜12号)、歯切れ対策を優先するならワイヤー。活性が高くドラゴン級が多い日はワイヤー、渋い日はフロロ、と使い分けるのが実戦的。
Q. よく切られる(高切れ・歯切れ)。原因は?
①即アワセで歯にラインが触れている②リーダーが細い/傷んだまま使っている、が大半。送り込んで合わせる・リーダーをこまめに結び直す、で大きく減る。
まとめ
太刀魚はタナ合わせが最優先。テンヤはゆっくり巻いて止める、ジギングはワンピッチとフォール。アタリは送り込んでから合わせ、歯対策を怠らない。この基本を押さえれば、瀬戸内の太刀魚は初心者でも十分に楽しめる。
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。

