船釣りにおいてライフジャケット(救命胴衣)は「あった方がいい道具」ではなく、「着ていなければ意味のない命綱」だ。
しかし釣具店に行くと種類が多すぎて何を選べばいいか分からない。この記事では、瀬戸内の遊漁船と仲間の船40年の経験から「本当に必要な選び方」を整理する。
ライフジャケットの種類:まず3種類を理解する
| 種類 | 特徴 | 船釣りでの使いやすさ |
|---|---|---|
| 固定式(胴衣型) | 常に浮力体が入っている・確実に浮く | 動きにくい・荷物になる |
| 自動膨張式(首掛け) | 落水すると自動で膨らむ・コンパクト | 最も人気・動きやすい |
| 手動膨張式(腰巻き) | 紐を引くと膨らむ・コンパクト | 自動より安価・誤作動が少ない |
船釣りで最もすすめるのは自動膨張式の首掛けタイプ。落水した際に意識を失っていても自動で膨らみ、顔を水面上に保持してくれる。
必ず「国交省認定品」を選ぶ
ライフジャケットには「国土交通省型式承認品」と「そうでないもの」がある。義務化されている着用ルールは国交省認定品に限定されており、釣り具メーカーの非認定品では義務を果たしたことにならない。
認定品の見分け方:ジャケットのラベルに「国土交通省型式承認」の記載と桜マークがあるものを選ぶ。
浮力区分(タイプ)の違い
| 区分 | 浮力 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| タイプA(最高性能) | 約150N以上 | 外洋・荒天時・万全を期したい |
| タイプB(一般用) | 約100〜150N | 内水面・湾内・遊漁船の一般釣行 |
| タイプD(小児用) | 体重対応 | 子供用 |
瀬戸内の遊漁船釣行ではタイプB以上を選べば十分。ただしタイプAの方が転落時の安全性が高いため、予算が許せばタイプAが安心だ。
サイズの選び方
膨張式ライフジャケットは「体重◯kg以下用」という表記が多い。自分の体重に対応したものを選ぶ。また防寒着を着た上から装着することを考えて、ベルトの長さを確認しておくこと。
メンテナンス:膨張ボンベの確認
自動・手動膨張式のライフジャケットは内部にCO₂ボンベが入っており、これが作動することで膨らむ。ボンベは定期的な確認が必要だ。
- 使用後(膨らんだ後)は必ずボンベを交換する
- 購入後も1〜2年ごとにボンベの有効期限を確認する
- 水感知センサー(自動タイプ)は湿気・劣化で誤作動することがある→定期点検
- 保管は直射日光・高温多湿を避けた場所に
よくある質問(Q&A)
Q. 遊漁船では船宿のライフジャケットを借りられる?
多くの遊漁船では貸し出し用ライフジャケットを用意しているが、サイズが合わないことや古いものしかない場合がある。自分専用のものを持参する方が安全・清潔・フィット感の面で優れている。1万円前後で購入できるため、船釣りを続けるなら早めに自分専用を用意することをすすめる。
Q. 子供にはどのライフジャケットを選べばいい?
子供用(タイプD)の国交省認定ライフジャケットを選ぶ。体重に合ったものを選ぶことが最重要で、大人用を代用することは絶対にNG。子供の体重・身長に合ったサイズを確認してから購入する。
Q. 磯釣り用と船釣り用は違う?
基本的な機能は同じだが、磯釣り用は波をかぶることを想定して固定式が多い。船釣りでは動きやすさ重視の膨張式が人気。用途に合わせて選ぶことが重要で、「船釣り用」と明記されているものが最も使いやすい。
Q. ライフジャケットを着ていれば溺れない?
ライフジャケットは「浮いていられる」ための道具であり、溺れないことを保証するものではない。低体温症・意識喪失・潮の流れなど他の要因もある。ライフジャケット着用は「生存確率を大幅に上げる」ための最低限の対策と考えること。
Q. 釣りの邪魔にならないか?
首掛け自動膨張式は非常にコンパクトで、慣れれば着ていることをほとんど意識しない。最初は少し違和感があるが、1〜2回の釣行で慣れる。むしろ「着ていないと不安」という感覚になるのが理想だ。
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。

