【船釣り安全講座】熱中症・低体温症の予防と対処法|瀬戸内の夏・冬釣行で注意すること

夏の太陽と冬の雪の結晶を並べた熱中症・低体温症対策イラスト|季節別の船釣り安全対策 安全装備(ライジャケ等)

船釣りでの体調不良の原因として、船酔いに次いで多いのが「熱中症」と「低体温症」だ。どちらも放置すると命に関わる危険があり、船上では医療機関に連絡するまでに時間がかかる。

瀬戸内の夏・冬の実釣経験から、予防と初期対処をまとめる。

熱中症:夏の船釣りで特に危険な理由

船の甲板は遮るものがなく、直射日光・海面反射・高温の甲板からの輻射熱を同時に受ける。陸上と比べて体感温度が5〜10℃高くなることがある。また海風で「涼しく感じる」ため、気づいた時には重症化していることが多い。

熱中症の段階 主な症状 対処法
軽度(Ⅰ度) めまい・立ちくらみ・筋肉痛・大量発汗 涼しい場所に移動・水分補給・安静
中等度(Ⅱ度) 頭痛・吐き気・体がだるい・集中力低下 船内(日陰)に移動・スポドリ補給・体を冷やす
重症(Ⅲ度) 意識が朦朧・まっすぐ歩けない・呼びかけに反応薄 即座に船長に報告・救急連絡・体を冷やし続ける
⚠️ Ⅲ度(重症)の熱中症は生命の危険があります。「様子を見よう」は厳禁。速やかに船長に知らせ、必要であれば沿岸警備隊・海上保安庁への連絡を依頼してください。

熱中症予防:夏の釣行チェックリスト

  • 帽子(つばの広いもの)の着用
  • 日焼け止め(顔・首・腕)の塗布
  • 遮熱性の高い長袖アンダーシャツ(UVカット)
  • スポーツドリンク・水を1.5L以上持参
  • 15〜20分ごとに水分補給(喉が渇く前に飲む)
  • アイスベスト・ネッククーラー(氷で冷やすタイプ)
📌 40年の経験から:瀬戸内の8月は特に過酷で、正午前後の甲板は灼熱になる。私は夏は朝マズメに集中して釣り、昼過ぎには釣りを控えるようにしている。無理に粘るより早上がりが正解の日が多い。

低体温症:冬の船釣りで特に危険な理由

瀬戸内の冬(12〜2月)は海風が冷たく、波しぶきで体が濡れると体温低下が加速する。特に落水した場合、冬の海水温(10〜15℃)では数十分で低体温症が進行する。

段階 体温 主な症状
軽度 32〜35℃ 震え・皮膚が青白い・判断力低下
中等度 28〜32℃ 震えが止まる・筋肉が動かない・意識混濁
重症 28℃以下 意識喪失・心拍異常・生命の危険

低体温症予防:冬の釣行チェックリスト

  • 防寒インナー(ウール・フリース素材が優秀)
  • 防水・防風のアウター(雨具兼用でOK)
  • 防水グローブ(手先の冷えが体温低下を加速)
  • ニット帽またはフードつきアウター(頭部からの熱損失を防ぐ)
  • 濡れた時のための着替え一式(ドライバッグに入れて持参)
💡 「着すぎ」で釣りが動きにくい、という感覚になったら脱いで調整できるレイヤリングが基本。着込んで動けなくなるより、重ね着で調整できるシステムを作っておく。

よくある質問(Q&A)

Q. 熱中症になりかけた時に、甘い飲み物はいい?

砂糖入りのジュースよりスポーツドリンクの方が電解質補給の面で優れている。真水だけの過剰摂取は「低ナトリウム血症」を引き起こすことがあるため、塩分も同時に補給することが重要。塩飴を携帯しておくと便利だ。

Q. 冬の釣りで手が悴んで竿が持てない。対策は?

防水グローブ着用が最も効果的。ただしグローブを着けたまま細かい作業(仕掛け交換など)が難しいため、グローブを脱ぐ時用のハンドウォーマー(カイロを入れたポーチ)を腰に下げておくのが実用的だ。手先が悴んだ状態での鋭いフックの取り扱いは怪我のリスクが高いため、まず温めることを優先する。


📌 筆者プロフィール
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。
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