【実釣】今治沖の太刀魚テンヤ|サンマの塩締めエサの作り方と当日のタナ・号数を解説

船のデッキに並んだ釣り上げたばかりの太刀魚の群れ 太刀魚
この日の釣果。テンヤ40号とサンマの塩締めエサで、手返しよく数が伸びた。

太刀魚テンヤの釣果を左右するのは、テンヤの号数でもカラーでもなく、エサの状態だと思っている。生のまま巻くと身がすぐ崩れ、太刀魚の歯に一発で持っていかれる。

今回は生のサンマを一晩塩で締めたエサを自作して、今治沖へ行ってきた。結果は1人20匹前後。作り方を写真つきで、当日のタナ・号数とあわせて紹介する。

船のデッキに並んだ釣り上げたばかりの太刀魚の群れ
この日の釣果。テンヤ40号とサンマの塩締めエサで、手返しよく数が伸びた。
📝 この記事の要点

  • サンマは生を買って自分で締める。身持ちが段違いによくなる。
  • 今治沖・水深80m、タナは底から10m。時合いは9時前後だった。
  • 小潮で潮が緩かったのでテンヤ40号で底が取れた。号数は水深だけで決めない。
  • バッテリーは9000mAhで80mを1日巻いても半分残った。差し込み形状の確認だけは忘れずに。

なぜエサを塩締めするのか

テンヤのエサは、ただ付いていればいいわけではない。最後まで形が残っていることが何より大事だ。身が崩れた瞬間から、そのテンヤはただの鉛になる。

生のサンマをそのまま巻くと、水分が多くて身が柔らかい。投入の衝撃と巻き上げの水圧、そして太刀魚の歯で、あっという間にボロボロになる。一方、塩で水分を抜いた身は締まって弾力が出るので、アタリがあっても一発で千切られにくい。

エサの状態 身持ち 手間 ひとこと
生のまま △ 崩れやすい なし アタリ1回で終わることも
市販の冷凍 ○ 標準 なし 手軽。船宿で用意されることも多い
生を塩締め ◎ 粘る 一晩置くだけ 形が残るので手返しが伸びる
📌 40年やってきて実感しているのは、エサ交換の回数が減ると、それだけ仕掛けが水中にある時間が増えるということ。「身持ちがいい」は、そのまま釣れる時間の長さに直結する。水深80mの釣りなら、1回の落とし直しに数分かかる。その差は大きい。

サンマの塩締めエサの作り方【手順】

やることは単純で、切って、塩をして、一晩置くだけ。前日の夜に5分あればできる。

手順1:生のサンマを3枚におろして斜めに切る

エサ用の冷凍ではなく、食用の生サンマを買ってくる。これを3枚におろし、真ん中で斜めにカットする。斜めに切ると先細りの形になり、テンヤに巻いたときに水中で自然になびく。

  • 3枚おろしにして中骨を外す
  • 真ん中で斜めにカット(1枚のフィレから2切れ取れる)
  • 皮は付けたまま(身がバラけにくくなる)
  • テンヤの軸より少し長めに残すと自然に見える

手順2:塩を全面にかけて一晩置く

トレーに並べて、切り身が見えなくなるくらい塩をかける。量をケチると水分が抜けきらないので、思い切ってたっぷり使う。このまま冷蔵庫で一晩。

トレーに並べたサンマの切り身に塩を全面にかけた状態
手順2:切り身が見えなくなるくらい塩をかけ、冷蔵庫で一晩置く。

手順3:出てきた水分を確認する

翌朝にはこれだけ水分が出ている。身が締まり、色も飴色に変わって透明感が出るのが締まったサイン。塩を軽く落とし、水気を拭き取る。

一晩塩締めして水分が抜けたサンマの切り身
手順3:一晩でこれだけ水分が出る。身が締まって、テンヤに巻いても崩れにくくなる。

手順4:仕上げにうまみ調味料をふる

最後にうまみ調味料を全体にふりかけて持っていく。アミノ酸系の集魚効果をねらった、筆者が続けているひと工夫だ。

塩締めしたサンマの切り身と業務用のうまみ調味料
手順4:仕上げにうまみ調味料をふる。集魚効果をねらった、ひと手間の工夫。
⚠️ うまみ調味料の効果については、釣り人の間で定番のテクニックではあるものの、厳密に検証された話ではない。やらなくても釣れるので、「気休め半分、験担ぎ半分」くらいで捉えてほしい。塩締めそのものの効果は、身持ちという形ではっきり出る。
💡 釣行前日の夜に仕込んでおけば、当日は保冷剤と一緒に持っていくだけ。余った分は小分けにして冷凍しておくと、次回そのまま使える。
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当日の釣行データ(今治沖・小潮)

今回の釣行条件をまとめておく。潮は小潮で、今治沖としては潮が緩い日だった。

項目 当日の状況
釣り場 今治沖
潮回り 小潮
水深 80m前後
タナ(棚) 底から10m
時合い 9時前後
サイズ 指2〜3本
釣果 1人20匹前後(ほかに鉛筆サイズ10匹ほど=リリース)
テンヤ 40号
エサ サンマの塩締め(自作)
釣行当日の海面と対岸の景色
当日の海の様子。適度に風波があり、船がゆっくり流れるコンディションだった。

今治沖は来島海峡の激流で知られるエリアだが、小潮なら潮が緩み、ぐっと釣りやすくなる。この日も適度に風波があり、船がゆっくり流れる良いコンディションだった。エリアの特徴は今治沖・燧灘のエリアガイドにまとめている。

📌 太刀魚は時合いがはっきり出る釣り。この日も9時前後に集中して当たった。朝イチから飛ばしすぎてエサを使い切らないこと、そして時合いに手返しを落とさないことが、数を伸ばす分かれ目になる。

タックル:テンヤ40号+電動リール

今回使ったタックルは次のとおり。

項目 今回の使用タックル 選んだ理由
ロッド メタリア太刀魚 テンヤ専用設計。穂先でアタリを見て送り込める
リール フォースマスター201 小型電動。カウンターでタナを数値管理できる
テンヤ 40号 小潮で潮が緩く、80mでも底が取れた
バッテリー 電動リール用 9000mAh 80mを1日巻き上げても残量は半分ほど
エサ サンマの塩締め(自作) 身持ち重視。交換回数を減らす
太刀魚テンヤ用のロッドと電動リールのカウンター表示
ロッドはメタリア太刀魚、リールはフォースマスター201。カウンターでタナを数値管理できるのが強み。

水深80mで40号が成立した理由

一般的に、テンヤの号数は40号=浅め・潮が緩い/60号=深め・潮が速いが目安。その基準でいえば、水深80mは本来もっと重い号数の出番だ。

それでも40号で通せたのは、小潮で潮が緩かったからにほかならない。つまり号数は水深だけでは決まらない。同じ80mでも、大潮で潮が走る日に40号を落とせば、ラインが流されて底が取れず釣りにならない。

  • まず「底が取れるか」が最優先。取れないなら即、重くする
  • 潮が緩い日は軽くすると、落下がゆっくりになり食わせやすい
  • 潮が速い日は重くして確実に底を取る
  • 40・50・60号を持っていけば、潮が変わっても対応できる
⚠️ 「前回40号で釣れたから」と同じ号数だけを持っていくと、潮が速い日に詰む。号数は当日の潮で決まるものなので、必ず数種類を用意していくこと。

電動リールが効く理由

太刀魚テンヤはタナ(棚)がすべてと言っていい釣り。今回のように「水深80m、底から10m」と指示が出たとき、70m前後に正確に合わせられるかで釣果が変わる。

  • カウンターで指示ダナに一発で合わせられる
  • 当たった水深を記憶して再現できる
  • 巻き上げ速度を一定に保てる(テンヤはゆっくり等速が基本)
  • 80mの巻き上げを繰り返しても腕が疲れないので手返しが落ちない
📌 水深80mを手巻きで20回以上巻き上げるのは、思っている以上にこたえる。疲れてくると巻き速度が乱れ、それがそのまま食いの悪さに出る。深場のテンヤで電動が効くのは、ラクだからというより「最後まで同じ釣りができる」からだ。

電動リールのバッテリー

電動リールを使うなら、電源の確保がセットになる。船に電源が用意されている船宿もあるが、口数が限られていたり、そもそも無い船もある。自前のバッテリーを持っていくのが確実だ。

今回持っていったのは9000mAhの電動リール用バッテリー。水深80mを1日中巻き上げ続けても、終わってみれば残量は半分ほどあった。9000mAhクラスあれば、太刀魚テンヤで容量に不安を感じる場面はまずない。

選ぶときに見るポイント

  • 差し込み形状(2芯か6芯か):合わないと使えない。買う前に手持ちのリールを確認
  • 電圧:電動リールの対応電圧に合うか(14.8V前後が一般的)
  • 容量:深場で数を釣る日ほど消費する。9000mAhあれば1日はまず持つ
  • 残量表示:残量計があると、釣行中に不安がなくなる
  • コードの長さ:2m前後あるとバッグに入れたままでも取り回しが楽
  • 収納・防水:船上は飛沫がかかる。専用ポーチ付きだと扱いやすい
⚠️ いちばん多い失敗が差し込み形状の間違い。電動リールの電源端子には2芯と6芯があり、合わないバッテリーを買うと別途変換コードが必要になる。注文する前に、手持ちのリールの差し込み口を必ず確認すること。
📌 船の電源が使えるかどうかは船宿によって違う。予約のときに「電源はありますか」と聞いておけば、バッテリーを持っていくか判断できる。聞き忘れたときは、持っていったほうが確実だ。
💡 リチウムイオンバッテリーは輸送や保管に制限がかかる場合がある。飛行機を使う遠征に持っていくときは、事前に航空会社の規定を確認しておこう。

電動リールそのものの選び方は電動リールの選び方にまとめている。

タックル全体の選び方は太刀魚のロッド・リール・ラインの選び方、テンヤの号数はテンヤ・メタルジグ・ワインドの選び方にまとめている。

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当日の釣り方:タナは底から10m

締めたサンマをテンヤの軸に沿わせ、ワイヤーで頭側から丁寧に巻いていく。緩いとズレて動きが乱れるので、しっかりと。身がはみ出しすぎると回転するので、軸に沿わせるのがコツだ。

紫と黄色のストライプの太刀魚テンヤを食った太刀魚
テンヤを丸呑みした1本。グロー系ストライプのヘッドに、塩締めしたサンマを巻いている。

この日のタナは底から10m。水深80mなので、70m前後を意識して巻き上げる。カウンターがあれば、着底から10m巻いた位置がそのままタナになるので迷わない。

  • 落とす:着底をしっかり取る(糸フケを出しすぎない)
  • 巻く:底から10mをゆっくり等速で。速すぎると見切られる
  • 止める:アタリが出たら巻きを止めて送り込む
  • 乗せる:重みが乗ってからゆっくり聞き上げる。即アワセは厳禁
  • 外す:歯が危険。必ずプライヤーで

タナを通過しても当たらなければ、そのまま上まで巻かずに落とし直したほうが手返しがいい。釣り方の詳細は太刀魚の釣り方(テンヤとジギングの基本)へ。

鉛筆サイズはリリースした

この日のサイズは指2〜3本が中心。その一方で鉛筆サイズが10匹ほど混じったが、これはすべてリリースした。

小さい個体は食べるところがほとんどなく、さばく手間に見合わない。何より、その魚が来年、指3本になって戻ってくるほうが、自分にとっても次に来る人にとってもいい。

📌 キープできるからキープする、ではなく「食べきれる分だけ持ち帰る」。これを続けられるかどうかで、10年後の釣り場は変わると思っている。リリースするなら手早く、優しく水に戻してやりたい。

リリースの手際はキャッチ&リリースの基本、サイズの測り方は魚の検寸・サイズの測り方とリリース基準も参考に。

⚠️ 太刀魚の歯は本当に鋭い。口元に素手を近づけないこと。フックを外すときは必ずプライヤーを使い、暴れる魚は押さえてから作業する。甲板に落ちた太刀魚を素足で踏むのも危険だ。

釣れたらすぐ血抜き

太刀魚は釣れたらすぐエラの付け根を切って血を抜く。バケツに海水を張って、そこで血を抜いてからクーラーへ入れる。この一手間で、持ち帰ったあとの味がはっきり変わる。

バケツの海水の中で血抜き中の太刀魚
釣れたらすぐエラの付け根を切って血抜き。この一手間で持ち帰ったあとの味が変わる。
  • エラの付け根を切る
  • 海水を張ったバケツで血を抜く
  • 抜けたら潮氷でしっかり冷やす
  • 氷に直接当てすぎない(身が白く焼ける)
📌 20匹ともなると、この作業が追いつかなくなる。時合いの最中は難しいが、落ち着いたタイミングでまとめて処理するだけでも全然違う。持ち帰ってからの満足度が変わってくる。

締め方と下処理の詳細はタチウオの締め方・下処理・レシピ完全ガイド、保冷は保冷・氷締めのテクニックも参考に。

よくある質問(Q&A)

Q. 太刀魚テンヤのエサは何がいい?

定番はサンマ、キビナゴ、イワシ。身持ちを重視するならサンマが扱いやすい。生のサンマを買って一晩塩で締めると、市販の冷凍より身が粘って崩れにくくなる。

Q. サンマの塩締めはどうやる?

3枚におろして真ん中で斜めにカットし、トレーに並べて切り身が見えなくなるくらい塩をかける。冷蔵庫で一晩置き、翌朝に出た水分を拭き取れば完成。

Q. 塩はどのくらいかける?

ケチらず全面を覆うくらいたっぷり。量が少ないと水分が抜けきらず、締まりが甘くなる。塩は一晩置いたあとに軽く落とす。

Q. うまみ調味料は必要?

必須ではない。集魚効果をねらった筆者のひと工夫で、厳密に検証された話ではない。塩締めだけでも身持ちの効果ははっきり出る。

Q. 今治沖の太刀魚はどのくらいの水深?

今回は80m前後、タナは底から10m(70m前後)だった。日によって変わるので、船長の指示ダナに合わせるのが基本。カウンター付きのリールがあると正確に合わせられる。

Q. 水深80mでテンヤ40号は軽くない?

小潮で潮が緩かったので底が取れた。潮が速い日の80mなら50〜60号が必要になる。号数は水深だけでなく当日の潮で決まるので、40・50・60号を持っていくと安心だ。

Q. 鉛筆サイズが釣れたらどうする?

食べるところがほとんどないのでリリースするのがおすすめ。手早く、優しく水に戻してやりたい。食べきれる分だけ持ち帰るのが、結果的に釣り場を守ることにつながる。

Q. 電動リールのバッテリーはどのくらいもつ?

今回は9000mAhのバッテリーで水深80mを1日中巻き上げて、残量は半分ほどだった。太刀魚テンヤなら9000mAhクラスで容量に困る場面はまずない。船に電源があるかは船宿によって違うので、予約時に確認しておこう。

Q. バッテリーを買うとき何に注意する?

差し込み形状。電動リールの電源端子には2芯と6芯があり、合わないものを買うと変換コードが別途必要になる。対応電圧(14.8V前後が一般的)とあわせて、注文前に手持ちのリールを必ず確認しよう。

Q. エサは何日もつ?

塩締めしたものは冷蔵で2〜3日が目安。使い切れない分は小分けにして冷凍しておけば、次の釣行でそのまま使える。

まとめ

今治沖の太刀魚テンヤで、水深80m・タナは底から10m・時合いは9時前後、1人20匹前後という結果だった。支えたのはサンマの塩締めエサで、生のサンマを3枚におろして斜めに切り、塩をたっぷりかけて一晩置くだけ。これだけで崩れにくく粘るエサになり、エサ交換の回数が減って手返しが伸びる。号数は小潮で潮が緩かったから40号で通せたが、潮が速い日は50〜60号が要る。水深だけで号数を決めないことが大事だ。そして鉛筆サイズはリリース、釣れた魚はすぐ血抜き。釣り場以外のひと手間が、その日の満足度を大きく変える。


📌 筆者プロフィール
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。
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