船タコの釣り方は「底を探る」ことに尽きる。
タコは岩の隙間・捨て石の陰・砂地の境目などに潜んでいて、そこにタコエギを差し込んでじっくり小づく。タコが抱きついた感触(「ズシン」という重さ)に気づいたら底から引きはがす。
シンプルなようで、感触を読む繊細さも必要。40年で積み上げた「当たりを逃さない釣り方」を解説する。
基本の流し方(タコエギ2個+オモリ1個)
- ①オモリ+タコエギを底まで落とす(着底を確認)
- ②着底後、ロッドを立てて底から10〜20cm持ち上げる
- ③ロッドをトントンと小さく動かす(小づき:底を叩くイメージ)
- ④5〜10秒止める(タコが抱く時間を与える)
- ⑤重さに変化があったら(ズシッとした感触)→即フッキング
- ⑥船が流れたらラインを少し出してポジション調整
- ⑦10〜15分反応がなければタコエギのカラー変更か仕掛けを入れ直す
「小づき」の正しいやり方
ロッドの動かし方
「小づき」はロッドを大きく上下させるのではなく、穂先だけをピクピクと小さく動かすイメージ。これによってタコエギが底で微妙に動き、タコを刺激する。
最初は難しいが、腕の力を抜いてグリップを軽く握り、手首だけで動かす感覚を掴むと上手くいく。
止めの長さ
タコは「動くものを見て、止まった時に抱きつく」習性がある。小づきの後の「止め」が食わせのタイミング。5秒〜30秒、状況によっては1分以上止めることも。活性が低い日は長めに止める。
当たりの感じ方と見分け方
タコの当たり(抱き)
- 突然ずっしりと重くなる(根掛かりに似ているが、引くと「ジワッ」と動く感触がある)
- ラインがふわっとたるむ(タコが手前に動いた)
- 竿先がゆっくり引き込まれる
根掛かりとの見分け方
初心者が最も迷うのが「タコか根掛かりか」の判断。
| 状態 | タコ | 根掛かり |
| 引いた時の感触 | ジワっと動く・抵抗が変化する | 全く動かない・固い |
| しばらく待つと | 重さが増す(タコが岩に吸盤でしがみつく) | 変化なし |
| 竿を立てると | 重みが伝わってくる | 重みは変わらない |
⚠️ 根掛かりと間違えて強引に引くと仕掛けが切れる。疑わしい時はロッドを色々な方向に動かして変化を確認する。それでも動かない場合は根掛かりと判断して慎重に外す。
フッキング(タコの引きはがし)
タコが抱いたと感じたら、ためらわずに力強く竿を立てて底から引きはがす。これが最も重要な瞬間。
タコは吸盤で岩や砂に張り付く力が非常に強い。一気に引きはがさないと途中で逃げられる。「ゆっくり」は禁物。一瞬で強く、が正解。
引きはがした後は一定テンションで巻き続ける。途中で緩めるとタコが再び岩に張り付こうとする。
実釣エピソード:タコと根掛かりを区別できなかった日
初めて船タコに乗った日のこと。「ズシン」という感触が来るたびに「タコだ!」と思って思い切り引っ張ると、毎回根掛かりで仕掛けをロストした。その日は3セット仕掛けを失い、タコは1杯しか釣れなかった。
隣のベテランを見ていると、重くなっても「ゆっくり竿を持ち上げて→ロッドをいろんな方向に向けながら様子を見る」という確認をしていた。「ジワっと動く感触があればタコ、まったく動かなければ根掛かり」という見分け方を教えてもらった。それ以来、根掛かりロストが激減した。
瀬戸内のタコ釣りカレンダー
| 月 | 釣況の目安 | 狙い方のポイント |
|---|---|---|
| 5〜6月 | 産卵期前・浅場に集まり始める | 浅い岩礁帯を丁寧に探る |
| 7〜8月 | 最盛期・型・数ともに安定 | 捨て石・根周りを中心に |
| 9〜10月 | 産卵後・少し落ち着く傾向 | 深場(20〜30m)も視野に |
| 11月〜 | 水温低下で活性が下がる | 止め時間を長めにとる |
よくある質問(Q&A)
Q. 小づきの「トントン」ってどんな力加減?
腕の力を使って大きく動かすのではなく、手首だけをピクピクさせるイメージ。穂先が5〜10cm程度動けば十分。力を入れすぎるとエギが底から大きく離れて、タコの目の前から消えてしまう。「トントン→止め」のリズムを均一に保つことが重要で、最初は「止めを意識しすぎるくらい長く取る」方が当たりが出やすい。
Q. タコが乗ったあと、途中でバレることがある。なぜ?
タコは「引きはがした後も岩に張り付こうとする」習性がある。巻き途中でテンションが緩むと、再び底や船底に張り付かれてバレる。フッキング後は一定のテンションを保ちながら一気に水面まで引き上げることが重要。「少し巻いて止める」という動作がバラシの原因になりやすい。
Q. タコの重さはどうやって分かる?
着底後にロッドを少し持ち上げた時の「重さの変化」で判断する。タコが抱いていると「じわっと重くなる」感触がある。また竿先がゆっくり引き込まれる動きも当たりのサインだ。最初は「何か変な感触がある」程度でも、積極的にアワセを入れてみることで当たりの感触を学んでいくのが上達の近道。
Q. 釣れたタコの持ち帰り方は?
生きたタコはクーラーに直接入れると暴れて他の魚に巻きつく。「生き締め」(急所の目の間を貫く)か「塩もみ」で動きを止めてから収納する。または二重にしたビニール袋に入れてクーラーの隅に置く。小さいタコはぬめりが多く、帰宅後の処理が大変なのでぬめり取りの塩を多めに用意しておく。
あおたん|釣り歴40年
瀬戸内(しまなみ海道・笠岡諸島・今治沖・松山沖・周防大島周辺)を中心に、遊漁船と仲間の船で実釣。タイラバ・船タコ・バーチカル青物・ティップランを年間を通じて釣行。「再現性のある考え方」を重視した記事を書いています。

